テノールとヴァイオリン、ピアノ、そして愛と人生と

時は一世紀ほど前、テノール歌手とヴァイオリニストが共に演奏し、それに人々が熱狂した時代がありました。今日では実演される機会が皆無に等しい、この「テノールとヴァイオリン」の共演を行ったのは当時の世界的スターたち、
例えば、「Great Voices of The Century 世紀の歌声」と評されたテノール歌手エンリコ・カルーソー(1873-1921)と「The Elman Tone エルマントーン」で知られたヴァイオリニストのミッシャ・エルマン(1891-1967)、「The Golden Voice」と形容されたテノール歌手ジョン・マコーマック(1884-1945)と「The King of The Violin ヴァイオリンの帝王」と呼ばれるに相応しいヴァイオリニストのフリッツ・クライスラー(1875-1962)など。
SPレコードの普及も相まって、世界的な成功を手にしていた彼らが行っていたのは、テノール歌手が主役を務め、ヴァイオリンがそれにオブリガードをつけるという、ありきたりなスタイルではありません。テノールとヴァイオリンがほぼ同等の扱いで、「競演」するスタイルです。
Gino(ジーノ)は、クラシック音楽史上でおそらく最も輝かしい時代であった、20世紀初頭に行われたこの「競演」を、わたしたちのテイストで蘇らせます。