ヴァイオリン/梶野絵奈

ヴァイオリニスト、音楽研究者。

3歳でヴァイオリンを始める。国立音楽大学器楽学科卒業後、渡欧。オーストリア国立ザルツブルク・モーツァルテウム大学修士課程を修了し、マギスターの称号を得る。同大在学中はモーツァルテウム管弦楽団への賛助出演等の活動を通して、クラシック音楽の本場でプロの演奏家としての経験を積む。1996年から1年間カナダ・オタワに留学し、ジョン・カズシ基金助成のリサイタルシリーズを開催。2001年拠点を東京に戻し、フリーの奏者として、ソロ、室内楽、オーケストラまでこなす。自ら企画・演奏する「プチ・サロン・コンサート」は16回公演を数える。ソロを徳永二男、カルビン・ジープ等、室内楽をハーゲン弦楽四重奏団、バロックヴァイオリンをヒロ・クロサキの各氏に師事。敬愛するイヴリー・ギトリスのマスタークラスを受講。ピアノのリサ・スミルノヴァ、ナディア・ルバネンコ、加藤麻里、ラファエル・ゲーラ、モーツァルテウム管弦楽団主席ソロヴィオラ奏者の加藤順也の各氏と共演。 

2007年、現役のヴァイオリニストとして史上初めて東京大学大学院に入学。比較文学比較文化コースに所属。研究テーマは、江戸から昭和初期にかけての日本のヴァイオリン文化。2009年修士課程修了、2019年博士号取得。博士論文『近代日本のヴァイオリン——それを取り囲む変わり行く社会』。

編著書に『貴志康一と音楽の近代—ベルリンフィルを指揮した日本人』(青弓社、2011年)。2013年には英国ケンブリッジ大学出版の学術雑誌”Nineteenth Century Music Review”にも論文が掲載され、研究者としての国際的な評価も獲得し始めている。レクチャーコンサートの講師、各種雑誌の執筆など、マルチな活動を展開中。